「感覚で評価していませんか?」〜属人的な人事評価を見直す第一歩〜

人事評価は、社員のモチベーションを高めるためのものです。そして、組織の成長を促すための重要な仕組みです。
しかし、実際の運用では「なんとなくの印象で評価している」「上司によって評価が全然違う」など、属人的な評価が横行している企業も多いです。むしろ中小企業はほとんどと言っても過言ではないでしょう。

こうした属人的な評価は、従業員の不満を招き、場合によっては優秀な人材の離職につながる恐れすらあります。いまこそ、評価の見直しが求められています。

属人的評価がもたらす企業リスク

属人的評価とは、評価者の主観や感情、好き嫌いに基づいた評価を指します。これが常態化すると以下のような問題が発生します。

  • 不公平感の蔓延:同じ成果を上げているのに評価に差が出る。こうしたケースは、従業員のやる気を削ぎ、組織内に不満や疑念を生みます。
  • 優秀な社員の離職:努力が正当に評価されない環境では、「ここでは自分の成長が評価されない」と感じた人材が流出するリスクが高まります。
  • 評価者の負担増加:明確な基準がないため、評価する側も毎回悩みながら判断を下すことになり、精神的な負荷がかかります。

属人的評価は、問題とわかっていても短期的には見過ごされがちです。組織の信頼性を社員から失われていくリスクなのです。

公平な評価の鍵は「評価シート」の活用

こうした課題を解決するために有効なのが、「評価シート」の導入です。

評価シートは、業務内容に応じた評価項目をあらかじめ設定し、それぞれに対して定量・定性で評価を行う仕組みです。これにより、評価のばらつきや感情的な判断を排除し、評価の基準を全社員に共有することができます。

評価シートの3つのメリット

・評価基準の明確化:「何をどう評価するのか」が可視化され、評価者も評価される側も納得感のある対話が可能になります。
・組織全体の公正性向上
部署や上司による評価のズレがなくなり、人事評価に対する信頼が醸成されます。
・人材育成の指針として活用
評価シートは単なる査定の道具ではなく、「今の自分に足りないものは何か」「どんなスキルが求められているのか」といった気づきを与える教育ツールにもなります。

ぜひ、厚生労働省が評価シートについて記載してますので、ぜひ、ご確認ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08021.html

実務で活かす評価シートの工夫ポイント

評価シートの活用にはいくつかのコツがあります。

  • 職種ごとのカスタマイズ
    営業、技術、事務など、業務内容に応じて評価項目を柔軟に設定することが重要です。
    たとえば営業職であれば「受注件数」「提案力」、事務職であれば「正確性」「社内対応力」などが考えられます。
  • 定期的な見直し
    業務環境や企業方針が変われば、評価項目もアップデートする必要があります。
    評価シートは“作って終わり”ではなく、“育てて使う”ものです。
  • 評価者研修の実施
    評価者による運用の差を防ぐためにも、「評価の基準」や「フィードバックの仕方」に関する研修を行うことが欠かせません。

まとめ:評価制度は「会社の顔」

人事評価制度は、社員にとって「会社が自分をどう見ているか」を示す指標です。属人的な評価では、優秀な人材が離れていくのも当然といえます。評価シートを活用することで、公平で納得感のある評価を実現し、組織全体の力を引き出していくことができます。

評価制度の刷新は簡単なことではありませんが、その先にある「離職防止」「生産性向上」「人材育成」という成果は、決して小さくありません。今こそ、自社の評価制度を見直すタイミングです。

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